​設置時期

2020年 4月 1日

​設置目的

 2019年11月26日、教皇フランシスコが来校された。初のイエズス会出身者である。そのイエズス会第31代総長アルトゥロ・ソーサ神父は、教皇により認可された「イエズス会使徒職全体の方向づけ(Universal Apostolic Preferences of the Society of Jesus)」として4つの項目を掲げているが、本研究所はその中の1つ、「和解と正義のミッションにおいて、貧しい人々、世界から排除された人々、人間としての尊厳が侵害された人々とともに歩む」ことによって、障害の有無や文化の違いを超え、互いを認め合いながら共に生きる社会の実現を目的とする。この目的は、上智大学の教育精神である「Men and Women for others, with others」とも合致し、日本国内外において障害の有無、あるいは文化や宗教の違い等によって排除され、人間としての尊厳が侵害されている人々に対して、研究者・教育者・実践家として取り組むべき課題を明確にし、その課題の解決策を世界に向けて発信していく研究拠点としたい。

 2021年8月には、東京パラリンピックが開催されるが、上記の設置目的は国際パラリンピック委員会(IPC)が掲げる目標「パラリンピックムーブメントの推進を通してインクルーシブな社会を創出すること」とも重なるものである。教皇の来校および東京パラリンピックの開催を契機として、カトリック精神を基盤とした上智らしい研究・教育や実践を展開していく。

 本研究所は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社との産学連携により運営され、共同研究の成果を基に社会実装に向けた新しい形の協働を目指すものである。本学の強みである国際性に重きを置いた研究所は数多く存在するが、国内の社会問題に対しても研究課題とする研究所はまだない。また、産学連携の成果として「モノづくり」を目指す形態の研究所も多いが、「人づくり」や「コミュニティづくり」を目指す形態は新しい挑戦といえよう。

2021年度 活動計画

【研究プロジェクト】

  1. 障害者スポーツと共生社会

  • パラリンピックの開催が障害者イメージに及ぼす影響

  • パラアスリートに対するインタビュー調査

  • パラスポーツを題材とした授業が大学生の障害者イメージとパラスポーツ参加行動に及ぼす影響

2)学校教育による共生社会の創生

  • 中学校におけるシティズンシップ教育のカリキュラム研究

  • 中学校における障害者の靴づくりを題材としたプロジェクト学習が障害者イメージに及ぼす影響

  • 大学生に対するインクルーシブ社会を目指す教育(共生社会創生論)の効果

3)障害児・者との共生社会

  • 発達障害児のきょうだい児が抱える心理社会的問題の解明と支援体制

  • 身体障害者に対する援助行動の促進・抑制要因

4)高齢者が輝くコミュニティ

  • 高齢者における新型コロナウイルス感染症への不安、リスク認知、外出頻度が心身の健康状態に及ぼす影響

  • 高齢者における居場所の心理的機能の検討および居場所づくりプログラムの開発

5)多文化と共生社会

  • インドネシア人と日本人におけるメンタルヘルス・リテラシーに関する国際比較研究

【国際シンポジウム】

テーマ  :パラリンピックと多文化共生社会(仮)

基調講演 :Ian Brittain(英国 コヴェントリー大学)

パネリスト:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

      谷口弘明(上智大学)

      日本障がい者スポーツ協会(交渉中)

モデレータ:久田 満(上智大学)

日時   :2021年10月(予定)